ベトナム国ダラット高原におけるICT活用次世代養液土耕栽培システム案件化調査

海外展開・企業支援実績

クライアント:(株)ルートレック・ネットワーク/JICA(国際協力機構)

国・地域: ベトナム社会主義共和国
発注者: JICA(国際協力機構)
事業期間: 2017年1月~2018年1月
事業スキーム: 中小企業海外展開支援事業(案件化調査)

事業の背景と概要:

事業の背景と概要 ベトナム国のラムドン省では農産物の生産性向上・高付加価値化を目指し、ハイテク農業の導入を進めている。しかしながら、農家の栽培技術の不均一さ故に域内での生産量や品質を安定させることが困難となり、ブランド化や大口需要家などへの販路拡大による農家の生計向上に結び付いていないことが課題とされていた。そこで、日本のハイテク農業を牽引する株式会社ルートレック・ネットワークの「ZeRo.agri」(日射量、土壌条件の測定結果を基に、最適な培養液供給を自動制御するシステム)の導入による、作物の収量増加と品質の安定化による農家の生計向上を目指し、その導入可能性を検証するために本調査事業を実施した。
主調査は、以下4段階に分けて実施した。


トレーニングされた調査員による調査票を用いた対面聴取

業務内容 目的 方法
①文献調査 ・現地の概況を把握 ・既存レポート等のレビュー
②デプスインタビュー

・地場のキープレイヤー、市場環境の把握、課題の抽出、構造化
・解決策に関する仮説策定

・現地関連企業へのインタビュー
・篤農家へのインタビュー

③マスサーベイ

・把握していた課題仮説に対する数的裏付け

・統計分析
④先方政府との協議

・現場実感に根差した意味合いだし
・取り組むべき課題の優先順位付けと・普及事業への政策的打ち込み

・把握した事実、課題に関して協議

本調査の結果、現地における農家の投資余力は十分に高いこと、その投資意欲を引き出すためには農産物の安定的な品質向上が求められることが確認された。その結果、「ZeRo.agri」の導入可能性は極めて高いことが示唆された。

写真:

現地の農家は培養液の管理を手作業で行っている。そのため、均一な肥培管理が困難な状況にある。写真は作物の株元に吐出される培養液のEC(電気伝導度)を農家が測定している様子。ZeRo.agriの導入により自動管理可能となる。

調査団員により現地施設内の土壌をサンプルし養分を測定した。不適切な肥培管理により土壌が劣化している傾向を把握し、その点からもZeRo.agriの導入意義を確認した。